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Tsuneyuki Research Group |
物質の高圧など極限環境における相や表面・界面などの原子構造を取り扱う場合,数値計算による原子構造探索が重要な役割を果たす.原子系の(準)安定構造は系のポテンシャルエネルギー曲面(PES)内の極小点に対応する.ここで,PESは系の自由度と同じだけの次元を持った多次元超曲面である.従って,複雑な系においてはそのPESは非常に大きな次元を持ち探索が困難になる上,極小点自体の数も増大する.更に複雑な系では電子状態の計算コスト自体も大きくなる為,効率的な探索手法が必要不可欠となる.
PESの非調和性は,PESの上で極小点を探索する場合の良い指標となることが知られている[1,2].PESの上で極小点を脱出して鞍点に向かう時,PESは出発点で考えられる調和振動子的なPESから歪んでいく.これは,極小点と鞍点ではその曲率の符号が異なることに因っている.我々は,PESのこの性質を用いた構造探索手法を開発している.我々の手法では,系のPES U(x)に対して,既知の極小点を埋めるような付加項を加えた仮想的なPES V(x)を考える.この付加項はPESが調和振動子的でない領域で急速に減衰する形をしていて,その結果としてV(x)は既知の極小点から近傍の鞍点への下り経路が現れる形となっている.
[1] K. Ohno and S. Maeda, Chem. Phys. Lett. 384, 277 (2004).
[2] S. Maeda and K. Ohno, J. Phys. Chem. A 109, 5742 (2005).
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