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Tsuneyuki Research Group |
ペロブスカイト型酸化物は圧電体や強誘電体として広く利用・研究がなされてきた。その化学式は ABO3 で表され、カチオン A・B の一部を他のカチオンで置換することで圧電性や強誘電性の制御が行われる。Pb(Zr,Ti)O3(PZT)はその典型例である。しかしカチオン A・B の組み合わせには制限があり、例えば A2+B4+O2−3 のように全体の電荷が中性である必要がある。一方で酸素アニオン(O2−)を F− 等のハロゲンで置換する研究もなされ、近年ではそれ以外にもヒドリド(H−)で置換することも可能になっている。ヒドリドでの置換によって例えば A+B4+O2−2H− といった、これまでに無いカチオン A・B の組み合わせからなる酸水素化物が実現する可能性がある。それらの探索は優れた圧電体や強誘電体の発見だけでなく、特異な電子状態を持った物質の発見も期待される。
我々はこのようなペロブスカイト型酸水素化物の一例として、未合成の物質 KTiO2H について第一原理計算を用いて調査した。この物質は他の構造よりもエネルギー的に安定であり、電気分極は PbTiO3 に匹敵する。更に価電子帯上端には、酸素と水素の軌道からなる2次元的な電子状態が存在する[1]。
[1] In preparation.
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