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Tsuneyuki Research Group


研究紹介

「半導体表面に規則的に並んだ有機分子の性質」

半導体の表面には、 ダングリングボンドと呼ばれる化学反応性の高い原子軌道が規則的に並んでいます。 もし、そのようなダングリングボンドを利用してデザインされた有機分子の層を構築できれば、 それは分子素子や選択的化学反応場など、 機能性を持つ界面の設計への土台となるでしょう。

 図:Si(001)表面への不飽和環式炭化水素の吸着      (クリックすると拡大します) 常行研究室では、物性研究所の実験グループである 吉信研究室と共同でシリコンの(001)表面上にシクロヘキセン、 1,4-シクロヘキサジエン(6個の炭素が環状につながり、 1個あるいは2個の反応性に富むπ結合を持ちます) などが規則的に並んだ系について、 吉信研の走査トンネル顕微鏡 (STM)や種々の分光学的手法によるアプローチとわれわれの密度汎関数法をベースにした計算科学によるアプローチを組み合わせた研究を行なっています。

その結果、表面が個々の分子によって覆われてゆく様子や、 同じ種類の分子が表面に吸着した時に異なる形を取る様子が明らかになってきました。 中でもわれわれが特に興味を持っているのは、 この系のさらなる有機化学反応の可能性です。 2つのπ結合を持った分子も表面との吸着には1つのπ結合しか使わないので、 もう1つのπ軌道は未反応のまま残っています。 これらの分子の液相での有機化学反応はよく知られていますが、 表面に2次元的に固定された状態では反応経路に異なる選択性があらわれるかも知れません。

[1] K. Akagi and S. Tsuneyuki, "Unsaturated cyclic-hydrocarbon molecules on a Si(001) surface - A first-principles approach -", Surf. Sci. 493, 131 (2001).

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