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Tsuneyuki Research Group


Research

「超伝導転移温度の第一原理的予測」

図1:MgB<sub>2</sub>におけるギャップ関数

図1 : MgB2におけるFermi面上のギャップ関数。 緑から赤紫に変わるに従ってギャップ関数が大きくなる。平行法による立体視。

図2:MgB<sub>2</sub>におけるB原子面内振動モード

図2 : MgB2におけるB原子の面内振動モード。水色がMg原子、灰色がB原子。平行法による立体視。

超伝導転移温度(TC)の精密予測は第一原理計算におけるグランドチャレンジの一つである。私たちはこのような目的のために超伝導密度汎関数理論(density functional theory for superconductors: SCDFT)に基づく数値計算プログラムの開発、およびそれを用いた第一原理計算を行っている。

SCDFTは密度汎関数理論(DFT)の拡張の一つであり、系の自由エネルギーを電子密度と超伝導秩序変数の汎関数として定義し、それを最少化することによって平衡状態の秩序変数を得る。秩序変数が大域的に0になる温度がTCである。また、SCDFTでは通常のDFTと同様に相互作用しない(自己無撞着場中の)参照系を利用するため、準粒子励起スペクトルとそこに現れる超伝導ギャップ関数の計算も可能である。

我々の作成したプログラムを二ホウ化マグネシウム(MgB2: フォノン媒介型超伝導体の中で現在最高のTCを持つ)に適用した結果を紹介する。この物質は蜂の巣状に並んだB原子の層と三角格子を組んだMg原子の層が交互に積み重なって出来ている。計算で得られたこの物質のFermi面上のギャップ関数を図1に示す。ギャップ関数の大きい円筒状のFermi面はB原子の層に局在する2次元電子の軌道によるものであり、これらの軌道はB原子の面内振動(図2)と強く結合している。



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