研究紹介
「擬ポテンシャル開発」
第一原理計算による固体の構造最適化や大規模系の価電子帯のバンド計算では、
計算コストの削減のために擬ポテンシャルがよく用いられる。
全ての電子をあらわに取り扱う全電子計算に対して、擬ポテンシャルを用いた計算では、
原子核と内殻電子からなるイオンの作るポテンシャルのもとでの価電子の計算を行う。
イオンのポテンシャルは電子状態計算に用いる一電子方程式によって異なるため、
各手法による計算ではその手法に基づく擬ポテンシャルを用いることが望ましい。
そこで我々はTranscorrelated法やhybrid密度汎関数法のための
擬ポテンシャルの開発を行っている。右図はTranscorrelated法による固体Siの格子定数の
計算において異なる擬ポテンシャルを用いた場合の比較であり、
計算で予測される格子定数が擬ポテンシャルによって異なることが分かる。