研究紹介
「高圧下での含水鉱物の第一原理電子状態計算」
私たちは地球の中に存在する水について研究を行っています。
それは、固体中に微量の水が含まれることにより、
その固体の物性が大きく変わるということが知られており、
その存在形態を調べることが重要であるからです。
現在は高圧下で安定であり下部マントルに水を供給する役割を担う可能性のあるAlOOHの高圧相の構造、
物性について第一原理電子状態計算の手法を用いて研究を行っています。
その結果この物質においては水素結合がその硬さ
(体積弾性率)や圧縮挙動に大きな影響を与えていることがわかりました。
すなわち、高圧下での地球内部物質を研究する上で、
水素結合の効果は無視できないものであるということを示唆しています。
[1] Tsuchiya, Jun; Tsuchiya, Taku; Tsuneyuki, Shinji;
Yamanaka, Takamitsu, "First principles calculation of
a high-pressure hydrous phase, δ-AlOOH",
Geophysical Research Letters, 2002GL015417 (2002).